まずはじめに、次のページから公開されている作品「Nightmare」について、作者から。
とても、下手な小説です。そのことに、注意を促したい。
この物語の原型となった「悪夢の果て」を執筆したのは1996年の12月。いまから10年も前のことです。そこから幾度かの改稿が入り、最終バージョンである本作「Nightmare」になったのが2001年10月のこと。それでも5年も前のものです。
いま読み返してみると、なんと稚拙で、なんと思慮浅く、なんと下手な小説であることか。文章の推敲は足らず、表現はワンパターンで、展開はひとりよがり。メッセージは空中分解し、テーマはあやふやで、キャラクターの造形も弱い。技術もないくせに小手先でごまかそうとし、やめておけばいいのに変に凝ろうとして、結局なにひとつ達成できているものがない。そんな小説。
自分がいま立っている地点から見て明らかに低レベルな作品で、正直なところ、サイトに再掲載することがとても恥ずかしい。若い日の失敗を大々的に宣伝してどうなるのだと、内なる自分が声高に叫んでいるのが耳に聞こえるくらいです。
それでも私は、もう一度、この作品を世に公開する。
笑われるかもしれない、石を投げられるかもしれない、
それでも私は、当時の文章そのままで、ここに公開する。
理由はごく個人的な感情です。自戒、と言うのがいちばん近いのかもしれません。
…もう一度言います。とても下手な小説です。これは謙遜ではありません。
でも――たったひとつだけ、いまの作者にないものが、ここには溢れるほど詰め込まれています。
願わくば、その溢れるものが、読み終えた方の心に響くものであるように。
――神居鈴
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