怪盗からの予告状 解決編
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怪盗が狙ったのは、海外の国立美術館だった」

解説
犯行予告状のどこにも、「日本の国立美術館」とは記述されていない。
美術館の名称も指定されていない。
意地悪なことをいえば、犯行予告状を別の国に出してはいけないと言う法もない。
――「国内にある国立美術館すべて」に配置されている――
――「超エリート捜査官」の前には姿を現さなかった――
という意味のことが、地の文に記述されている以上、
日本の国立美術館には、怪盗は来てすらいない→国内の国立美術館は狙われていない
と考えるのが自然である。
そこに気付けば、この問題の模範解答が見えてくる

さて、ではどの国の美術館が狙われたのであろうか?
これは相当アバウトになるので特定は不可能だが、
だいたいの予測ぐらいはつくのではないかと期待できる。
以下に仮説を展開してみよう。

時差を考えてみよう。
警視の電話にかかってきたのは、日本で午後…つまり12時〜24時の間。
この間、「午後」と言う単語で通常考える時間は何時か。
12〜13時は、お昼という言葉が似合いそうだ。
17時以降は、夕方もしくは夜という単語で形容されると思われる。

となると、警視の携帯電話に怪盗から連絡があった時間として、
可能性が高いのは13〜17時の間になりそうだ。

そして、犯行が起こったのはこれより前で、
なおかつ、国際ニュースとして報道される前でなければならない。
(報道されていれば、それを耳にした警視が気付かないはずがない)

どれだけの時間でニュースが流れるのかは不明だが、
国立美術館という重要な物件を扱う場所柄、警備員の数も多いであろうから、
そう何時間も事件が発覚しないはずはない。
3時間も4時間も経過していては危ないだろう。

そのことから推し量ると、怪盗が警視に電話をかけたのは、
犯行直後から、最悪でも3時間弱であると考えるのが妥当だと思われる。
となると、犯行時間は、
日本時間にして13〜17時の0〜3時間前、
10〜17時の間であると思われる。

この間に深夜0時であったのはどこか。
どうやら、アメリカ大陸のどこかが妥当のようである。

仮説の結論として、犯行が行われたのは、アメリカ大陸に位置するどこかの都市。
神居の予測としては、ワシントン・ナショナル・ギャラリー()がどうやら可能性が高そうである。


:この美術館が国立かどうかは、寡聞にして知らない。要するに口から出任せ指の打ち任せ。


つーわけで

正解者の発表〜

97%正解で賞
水馬依妃
さん
答案→回答例2:「海外に出展中の国立美術館が所有する日本のメインアートを頂いた。」

正解なのに、なぜか「回答例」とか「日本のメインアート」という限定が…。
後者は多分、
日本のアートを盗むぜ!ということを予告するなら
日本警察が正統だ〜、 と考えたのでしょう。
蛇足くさいですが、とりあえず真相は言い当てているので、97%正解!

次に、おもしろ回答ピックアップ!

予想外で賞
いずどん
さん
答案→国立(くにたち)市の美術館が狙われた。

出題者の予測の範囲を完全に超えた答案。
ある意味、模範解答よりスゴい。
最初に見たとき、思わず「正解!」と書きそうになった。

ユーモア賞
アナコンダの尻尾
さん
答案→喫茶ルノアール国立美術館前店のコーヒーを美味しく頂戴した。

こんな怪盗がいたらイヤだ!
ていうか、めっちゃ迷惑千万!
何気に、喫茶ルノアールって存在するし!
(美術館前店があるかどうかは知らないけど)

ヒントの解説

ヒントに気が付いた方、いますでしょうか。
以下に、文中に織り込まれた、わかりにく〜いヒントをバラしましょう。

怪盗と警視の会話
怪盗「通話料金がもったいないから〜」
相当な金をたんまり持っていておかしくない怪盗が、
こんなみみっちぃことを言うのはおかしいですよね。
卓上電話にかけて「逆探知されるかもしれないから〜」なら判りますが。
つまり、通話料を気にしなければいけないほどに、
お金がかかる距離にいるということで、
海外からの国際公衆電話あたりからかけてるんですよ〜、
というヒントなのです。

また、他にも「予告通り24時にね」などと、
わざわざ念を押すのは怪しいぞ、というメッセージもあったりね。

まッ、小説なんか書いてると、
こういう姑息なことを日がな一日考えるようになるってことですよ、 ええ(いいのか、それで…)。

その他
神居が考えた他の答として、
「美術館の館長が実はマッド・クレイ1世」
「国立美術館の『メインアートは○○のXX』という立て看板とか垂れ幕の類を頂戴した」
「美術館関係者に向かって『ちょーだい!ちょーだい!』とダダをこねただけ」
など。
こういった限定条件の少ない問題は、いろんな答案が見られて楽しいです。
「9マイルは遠すぎる」(ハリィ・ケメルマン)を、
みんながそれぞれ作ってるみたいで興味深い。
ある意味、いちばん楽しんだのは出題者自身でしょうね。




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