Xbox360、PS3、Wii
それぞれの今後を好き勝手に予想してみる
| Review | Home | 

じわじわと魅力を増すXbox360

 他機種より1年も先行発売したXbox360(Microsoft)。しかし、現状そのアドバンテージを活かしきれているかというとまったくそんなことはなく、前ハードをさらに下回る低空飛行で地を這い続けています。
 理由は様々ですが、大きく2つの要因に分けるとすれば、魅力的なソフトの慢性的な欠乏と、メーカーがマイクロソフトであるという点でしょうか。
 後者の理由は聞く人が聞けば激怒しそうなものですが、実際問題として島国根性旺盛な日本人には、このことは大きな意味を持ちます。
 ほぼ単一の民族で構成されている日本では、自分たちと違う存在である海外の人間に対して、本能的に身構えてしまう習性があります。アメリカ人やインド人、タイ人やメキシコ人などいっしょくたに「ガイジン」と呼称して差別化しているのもそれを象徴しています。
 家電製品など特に顕著で、サムスンの炊飯器を使っている人などごく少数でしょう(意外と性能は良いらしいんですが)。LG電子と聞いて何を売ってるか思い浮かべられる人はあんまりいないだろうし、デロンギと聞いて「会社の名前だ」と判る人は、それこそラジエターヒーターを実際に使用している人か、メーカー、小売店関係者以外にはいない。
 東方の島国を占拠して枕を高くしている我々ニホンジンにとって「海外のメーカー」とはつまり「ガイジン」。どれだけポテンシャルが高かろうと性格が良かろうと、ニホンジンである任天堂やソニーの方が、多少性格が悪くても親近感があるわけです(ソニーや任天堂が性格悪いという意味ではないです(笑。いや、ソニーは少し悪いかな)。
  PCの世界ではWindowsがOSのシェアナンバー1ですからマイクロソフトも幅を利かせていますが、ことゲーム市場に限って言えば、まだまだ来日したばかりのガイジンさんです。
 とはいえ、Macintosh(Apple)やPC98(NEC)、UNIXを蹴散らして、PCのOSの事実上のデファクトスタンダードにまでのぼりつめたWindowsを看板とするマイクロソフト。前ハードでの手痛い敗北がトラウマになっているようで、現360では、発売前からコツコツと地道な種まきを進めていたことは良く知られています。
 他社よりも早くハードをリリースすること、ハードの大きさは極力コンパクトにすること、価格はなるべく抑えること、開発者にとってソフトの開発がしやすい環境であること、そして何より、日本で成功するために、日本人好みのソフトをたくさんリリースすること。これらの努力が次第に芽を息吹かせつつある。
 ハードのスペックやリリースについては、既にその達成はしていますし、開発環境の面でも、Windowsでの開発ノウハウを流用できるというのはプログラマサイドではたいへんありがたい(XNA Game Studio Expressを導入すれば個人でのXbox360ソフトの開発も! 作ったゲームはWindowsでも動くし)。
 そして何より、ソフトウェアの充実が最近になって顕著。カプコンから先月リリースされた「デッドライジング」を皮切りに、年末に予定される「ブルードラゴン」、年明けの「ロストオデッセイ」(共にミストウォーカー)といった大作RPGはもちろん、ロボットアニメファンにはたまらないであろう「スーパーロボット大戦XO」 (バンプレスト)、マニア向けには「DEAD OR ALIVE XTREME 2」(テクモ)や、「アイドルマスター」(バンダイナムコゲームス)もあります。「ロストプラネットエクストリームコンディション」(カプコン)や「カルドセプトサーガ」(バンダイナムコゲームス)も期待度大ですし、「地球防衛軍3」(D3パブリッシャー)に期待する人だってたくさんいるでしょう(私とか私とか私とか)。最近体験版を遊んでみた感触では「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」(セガ)も好感触です(ソニックはPS3でも発売されますが)。
 ローンチタイトルおよび年末年始のソフトラインナップが貧弱なPS3に比して、この点では圧倒していると言えます。加えてPS3のハード初期出荷台数がわずかに10万台ですから、数字上の売り上げでPS3のはるか上を行く可能性もなくはありません。ただ、Wiiには負けると思いますけども。
 加えて、XboxLiveについても、インフラ整備も含めてイイ感じです。最近「Project Gotham Racing 3」(Bizarre Creations Ltd)を遊んでいるのですが、回線につないでいるとネットワーク上のデータベースにバックグラウンドでアクセスして、自分のタイムを世界ランキングに乗せてくれるのですが、これがまた憎らしいほど楽しい。タイムアタックで何秒か縮めて「どうよ!?」と固唾を呑んでランキング表を見ると、いまだ世界ランク400位とかで「トップ100まであと何秒縮めりゃいいんだー!」とか一人で悶えてます(笑)。
 ネット対戦はまだですが、こんな細かいところでもネット接続の恩恵があるんだなぁと、なかなかに新鮮です。
 また、これが例えば「接続してください」とかうるさく聞かれると興ざめですが、LANケーブルをつないで自動接続設定にしておけば、電源ONで勝手に接続してくれるので、その点もラクです。このあたりはさすがにPCのOSを作っているメーカーで、なかなか小慣れてます。

 日本市場ではいまだぱっとしないXbox360ですが、この年末からいよいよ活性化の波が来そうな気配です。それはもちろんソフトをリリースするサードパーティの努力が大きいわけですが、個人的にはこれまでめげることなく活動を続けてきたマイクロソフトに「がんばったね」と言ってあげたい。そして、その言葉を使ってなんら違和感がないほど、これからのXbox360はイイ感じ。
 まだまだじわじわと、Xbox360は魅力を増してきています。



期待度は大きくても看板だけでは意味がないPS3

 ハード的な面、特にCPUの浮動小数点演算では他2機種を完全に圧倒するPLAYSTATION3(SONY)。また知名度でも、日本市場においては比較するのも馬鹿馬鹿しいほどのネームバリューで、間違いなくユーザーの期待度がMAXなのがPS3でしょう。
 しかし、このPS3、性能をはじめとしたアピールポイントのすべてはいまだ看板のキャッチコピーでしかない。
 まず性能ですが、凄いことは凄いのですが、活かしきれるメーカーが5%未満でしょう。場合によっては3%に満たないかもしれない。その最大の要因は複雑な構成をとるCellプロセッサで、通常のプログラムの組み方ではXbox360を大きく下回る程度の性能しか出ないという話です。
 これを活かしきるには、最大8つのプロセッサ(ハード的には8つのSPEプロセッサと、1つのPPEプロセッサで9つのプロセッサが実装されていますが、SPEの内1つは予備のため、通常は動作しません)を並列に動作させなければなりませんが、こんな複雑なプロセッサのための開発ノウハウなど、現状どこのソフトウェアメーカーも持っていないはずです。
 また、あったとしても開発工数は現在のそれに比して異常に跳ね上がるはずで、それこそスクウェア・エニックスやセガ、ナムコ、コナミなどのごく一部の巨大メーカーが、赤字覚悟で費用を投入しない限りは、その真のポテンシャルは発揮されないでしょう。
 そもそも、性能が上がったからといって、じゃあその分凄いソフトが簡単に作れるかというとそうでもない。それだけの性能を要求するゲームデザインなんて、普通は考えませんし、また考え付いたとしても、開発側として実現可能かというとそうでもない。
 例えば、全キャラクターがAIで動く戦略シミュレーションを考えてみます。そのゲームは敵国の状況がCPU演算による人工知能を持った軍師の判断によって絶えず変化し、また実際の戦闘においても、飛来する戦闘機のパイロットがそれぞれ別個に自立型の思考回路を持っているため、単純なルーチンワークに終わらない動きをするとします。敵は世界各国なので、ヴォリューム的にもやり応えにしても文句なし。そういうゲームがリリースされればエンジニア的にもユーザー的にも面白そうですが、そんな複雑怪奇な動作をするゲームなど、たぶん10年かかっても開発が終わらないでしょう。
 ユーザー側にしても、あんまり複雑なゲームシステムを用意されてもとっつきにくいばかりです。妙に操作の煩雑なアクションゲームより、携帯電話で遊ぶテトリスの方が面白かったりする。
 また、あるサイトでは、レースゲームをプレイしていたとき、コーナーに置いてあるパイロンに接触したとして、そのパイロンが描く放物線を物理法則演算によって導き出したり、また、画面上に雨を降らせたとして、風向きや風速によって雨のなびき方を現実のそれと同じに変化させることができるなどと書いて凄さをアピールしていますが、じゃあパイロンが物理法則と同じに飛んでいったとして、ユーザーが嬉しくなるかといえばそうでもない。むしろ、パイロンがありえない角度ですっ飛んでいき、ライバル車に激突してコースアウトさせた、なんていうゲームデザインの方がずっと面白い。例えば、PSの「ランナバウト」(やのまん)なんて、主人公の乗ったべスパで屋台に突っ込むと爆風を受けて空高く吹っ飛ばされますが、その後何事もなかったようにレースに復帰します。その瞬間プレイヤーはもう大喜びの大爆笑です。平凡なショッピングモールを、妙に安定感のあるフォーミュラーマシンで飛ばしているときなど、恍惚感すら覚えます。わいわい友達とプレイしていれば、さらに魅力倍増。
 動作のリアルさはゲームの面白さとイコールではないのです。
 そうなると、大半の性能は、単純な画面表示の美しさに費やされることになりますが、ではハード的に100倍の高精細な画像を描画できたと仮定して、作る側の人間が100倍高精細なCGをすぐ作れるかというとそんなことはない。開発ツールの性能も上がりますから、単純に100倍かかるわけではないとしても、安く見積もって10〜20倍くらいの工数はかかるでしょう。費用対効果を考えると、その不毛さは絶望的ですらあります
 PS2時代ですら、その性能に見合ったソフトを作ろうとしたあまりに開発費用がかさみ、結果として大して売れなかったメーカーが次々死滅、あるいは他会社と合併していったことを考えると、PS3の超強力なポテンシャルは、逆に自分の首を絞めかねません。
 無論このことはXbox360やWiiにも言えることです。しかし、開発環境がPCに近いXbox360はそれだけで開発者に優しく、(PS3に比べれば)まだまともな工数で開発が見込めます。
 Wiiにいたってはそもそもそういった土俵で勝負をしていない。ユーザー側も格別なグラフィックをWiiに望んでいるわけではないだろうことを考えれば、その点はそれこそ開発において後回しにできそうです。
 不毛といえば現実問題としての画像表示においてもそうで、例えばXbox360の最大解像度が1360×768に対して、PS3は1920×1080。数字上はPS3の勝ちですが、では2つのゲーム機で描画した画像を並べてじゃあどっちが綺麗?と問われても、人間の目では判別つきません。
 以下に画像の例を挙げてみますが、よほど良く見ても差はほとんどないです。

例1:レースゲームの場合
リッジレーサー7(ナムコ:PS3)
ForzaMotorsport 2(Turn 10 / Microsoft Game Studios:Xbox360)
Fomula1 CHAMPIONSHIP EDITION(SCEI:PS3)
Project Gotham Racing 3(Bizarre Creations Ltd:Xbox360)

例2:3Dアクションの場合
レジスタンス 人類没落の日(SCEI:PS3)
GEARS of WAR(エピック ゲームズ:Xbox360)

例3:格闘ゲームの場合
バーチャファイター5(セガ:PS3)
DEAD OR ALIVE 4(テクモ:Xbox360)

 そもそも1920×1080…いわゆるフルHDの解像度に対応したテレビは数が少なく、また高価です。普通のプラズマテレビや液晶では1280×720の解像度が一般的ですし、綺麗に映るブラウン管は筐体が大きくなるので、最近は敬遠されがちです。
 だとすると、せっかく一所懸命フルHD映像を描画しても、テレビの性能がそれを表示するのに不足しているせいで恩恵にあずかれない。一般家庭のテレビでは、最終的な映像の精細さは、その表示において、Xbox360とPS3でまったく違いがないということになります。また、先ほど書いたように、実際表示させてもその違いは明確には実感できません。
 他を圧倒する、スパコン並みとすら賞賛されるその性能。しかしそれは看板倒れに終わる可能性が非常に高い。2〜3年後に、ソフトウェアテクノロジーがどこまで進化しているかはともかく、それが現時点でのPS3の立ち位置です。

 また、戦略的にもPS3はちょっと怪しい。ゲームを主体としない総合エンタテインメントプラットフォームを目指しているようですが、PS3をゲーム機以外の用途に使う人は全体の1割以下でしょう
 たとえば、PS2はDVDが観られることが売りでしたが、いまどきPS2でDVDを再生している人がどれだけいるでしょうか。一人暮らしの貧乏学生はともかく、一般家庭ではDVDプレーヤかHDプレーヤで観ていることでしょう。その方が使い勝手が良いからです。
 また、かつてPCとゲーム機の融合、あるいはゲーム機のマルチプラットフォーム化を目指したハードウェアがことごとく失敗に終わったことは、決して過去の風化した記憶ではないし、当時の技術力で語るべきことでもないと考えます。
 あらゆる複合機は、単一の機能を見る限り、決して専用機には勝てません。
 身近なところでは、プリンタとスキャナ、FAXの複合機がいろいろ発売されていますが、単体で見たプリンタの機能やスキャナ、FAXの機能では、当然専用機に勝てません。技術的には同等レベルにできても、それをすると価格が高騰するからです。
 PS3の価格が跳ね上がったのは背景にそれがあるからで、単体での機能としても高レベルなものを目指した結果、それぞれの機能の実現に費用がかさみ、非常識な値段へと昇華されたわけです。
 無論、ハード技術の進歩によって、PS3の単体での製造価格は今後低くなるでしょう。しかし、その時には、「同じ価格でさらに高性能で使いやすいゲーム機」を実現できてしまうわけです。そうなると、SCEIの目指すプラットフォーム化構想が普及しない限り、ユーザーからは、どっちつかずのやけに高価なゲーム機、という評価しか得られないでしょう。
 それを示す例として、同じような文句を謳っていたPSP を例にとります。PSPはポータブルオーディオとしても使えますが、では現実にPSPで音楽を聴いている人がiPodユーザーに比してどのくらいいるでしょうか。他にも、携帯電話などもポータブルオーディオとして使えますが、実際にその機能を活用している人は少数です。PSP、携帯電話、双方合わせても iPodで聴く人の半分に満たないでしょう。なぜかといえば、PSPや携帯電話より、iPodの方が音楽を聴く上で使いやすく設計されているからです。
 高くて使いにくい複合機より、安くて使いやすい専用機の方がずっと魅力的です。そう考えれば、SCEIの構想が茨の道であることは火を見るより明らかです。
 魅力的なソフト、そしてその売り上げに見合うだけのハード出荷台数をそろえられれば何とかならなくもないですが、実際問題としてPS3での開発を控えるメーカーすら出てきている現状、一部の大手メーカーの頑張りだけではどうにもならなくなる可能性もあります。
 そして、単純な問題として、値付けが高いこと。20Gモデルで49980円は、性能的に見て出血大サービスなのですが、ゲームにそんなお金をかける人は限られた範囲でしょう。60Gモデルだとこれがさらに高くなるわけで、現在はオープン価格となっていますが、流通はおそらく60000円強で取引されるでしょう。普通の親は子供に60000円のおもちゃを買い与えたりしません。
 PS3の前途は、好意的に見ても苦難の連続になるだろうと、そう思います。



二大巨頭の陰に隠れていた大本命・Wii

 最後にWii(任天堂)です。コードネームRevolutionであったころは、ヘンなコントローラのよくわからないゲーム機という評価でしかなかった同機ですが、同じくヘンな携帯ゲーム機であったニンテンドーDSが爆発的な普及を見せたことで、俄然注目を浴びる存在になってきました。
 最大の魅力はそのユーザーインタフェース・デバイスですが、見るからに「新しいゲーム機」といった気配がびんびんです。あのヌンチャク形状に嫌悪感を示す人もいるようですが、たいていの人は「ちょっとやってみたいな」と思うんじゃないでしょうか。
 そして、この「やってみたいな」は、他のどんなアピールポイントにも勝る、Wiiが誇る最大の武器です。
 かつて、多くのゲームはその進化の過程で、「グラフィック」の性能を売りにしてきました。ファミコンからスーパーファミコンへ移行した時には「F-ZERO」(任天堂)のグラフィックがユーザーの度肝を抜き、スーパーファミコンからPS・SS・ N64へ移行した時には「リッジレーサー」(ナムコ)、「バーチャファイター」(セガ)、「スーパーマリオ64」(任天堂)のグラフィックがプレイヤーの驚愕を誘い、PSからPS2に移行したときには、「グランツーリスモ3」(SCEI)のグラフィックが観る者の目に焼きついたことでしょう。
 そして誰もが思った。「ちょっとやってみたいな」と。そして、それをより多く思わせたハードウェアが、その時代のスタンダードとなってきたのです。
 しかし、PS2あるいはXboxがリリースされた時点で、この種のグラフィック性能は、少なくともテレビというアウトプット・デバイスにおいては、飽和状態に近いところまで到達しています。Xbox360で「DEAD OR ALIVE 4」(テクモ)が動いているのを観たときでも、たしかに綺麗だとは思いましたが、さして感動はしなかった。
 理由は、二次元アウトプットにおける映像はPS2レベルで充分なクオリティを実現しており、これ以上綺麗になっても、ゲーム性を左右するまでにはいたらないからです。Xbox360の「CALL OF DUTY 3」(コナミ)だって、PS2で発売されているわけですから。
 そうなると、PS3あたりがいくら頑張って綺麗な映像を作ってみたとしても、ユーザーサイドの印象としては「ああ、また少し綺麗になったね」という程度です。誰ももう驚かない。
 しかし、Wiiのヌンチャクは、そんな他メーカーの頑張りとは無縁の場所でユーザーの興味を惹いています。ソフトの映像すらない段階において、どんな風に使うのかすら明確でなかったころから、すでにその特異な形状が注目の的だったわけですから、その威力は語るまでもない。
 その上、最近では「ゼルダの伝説トワイライトプリンセス」「Wii Sports」(共に任天堂)などのゲームの映像が、実際のプレイスタイルのモデルとともに流れ出していて、これがまた目を惹く。
 二本のヌンチャクを剣士よろしく振り回して遊んでいるさまは、誰もが「ちょっと私にもやらせてよ」と思うでしょう。
 無論、ここでプレイヤーが「つまんないな」と思ってしまったら元も子もありませんが、そこはテレビゲーム以前から「ゲーム」を提供し続けてきた任天堂のこと、確信を持って世に出せるレベルにまで持ってくるでしょう。そうなれば、後はプレイした人が「面白い!」と叫ぶのをニヤニヤしながら待っているだけ。
 綺麗な映像を30分間観るよりも、面白いゲームをプレイするわずか5分の方が、100倍説得力を持つのです。
 また、基本的なハードウェアの設計も、大変好もしい。ひたすら省電力設計を目指した仕様は、その中で「冷却ファンの音がほとんどしない」という恩恵をもたらし、また、DVDケース3つ分といわれるハードのサイズも、小さい物好きの日本人にはぴったりです。通信機能はニンテンドーDSでもおなじみのWi-Fiで、初心者でもなんら苦労することなく世界中のユーザーと対戦できる環境を整えられるでしょう。
 他にも、ゲーム機としての存在を邪魔しない程度に揃えられたアプリケーション。昔のファミコンやPCエンジンのゲームをダウンロードできる「バーチャルコンソール」など、ゲーム好きならずとも「お?」と思えるオプションが目白押し(昔のゲームはXbox360のXboxLiveでも配信されてますが)。
 さらに、これだけの魅力を充実させて、お値段なんと25000円というのも驚きです。いくらなんでも30000円くらいするだろうと思っていたのに、この値段は凄い。クリスマスにPS3とWiiを前に、はたしてお父さんとお母さんがどっちを子供に買ってあげるだろうか? 答えは書くまでもないでしょう(そもそもPS3は、初期出荷台数の少なさから、手に入らない可能性が非常に高い)。

 これまでずっとPS3あるいはXbox360 の陰に隠れ続けてきたWii。しかし、実際にはWiiこそが年末商戦、そして今後の日本ゲーム業界をリードしていくであろう大本命となることが、最近の一連の情報によって現実味を帯びてきました。
 ニンテンドーDSで既存のゲーム理論を打ち破った任天堂。2007年には、長くソニーに奪われてきた据え置きゲーム機の覇権を、ついに取り戻すのかもしれません。


 ちなみに私、神居鈴の年末のゲーム事情ですが、仕事が忙しくてとてもゲームなんてできません。なので、現状持っているXbox360を週に1回程度起動するか、PCの 「ToHeart2 AnotherDays」(Leaf)のパッケージをぼーっと眺めているくらいでしょう。困ったもんです。


Base template by WEB MAGIC.   Copyright(c)2007 Walkway of the Clover All rights reserved.


inserted by FC2 system