ひだまりのなかで act.2
★猫の目に、人間はどう映っているのだろう?★
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 こんにちわ、三毛猫マーちゃんことマーブルだよ♪ 今日はおとーさんのことをしょうかいしたげるね。おとーさんはね、お歌がとってもだいすきなの。おかーさんやりつこちゃんは知らないけれど、おとーさんのしょさいには、おとーさんがたからものたからものっていってる、ひみつのCDがたくさんある。で、お休みの日とかにしょさいに入ってひとりになると、ドアにかぎをかけて、おかーさんたちが中に入れないようにして、つくえのかぎのかかったひきだしをあけて、CDをとりだす。CDはすごくいっぱいあって、えーっと、おニャン子クラブとか、ウインクとか、おぎのめようことか、こいずみきょうことか、さかいのりことか、スピードとか、女の人のやつばっかり。男の人のCDは、しょさいのよく見えるところにおいてあるのに、どうして女の人のはかくしてあるんだろう?

 さいきんは、モーニングむすめっていうひとたちの歌が気に入っているみたいだね。テレビでも、りつこちゃんがいる時だけ、いっしょに見てる。 でも、しょさいできいているときは、なんでかヘッドホンっていうやつできく。ヘッドホンをかけると、音がそとにでないからボクがきけないのに、イジワルしてるのかおとーさんがひとりじめする。それから、しばらくあたまをフンフン言いながらふったあと、とつぜん、息だけで歌いだす。

  さいしょにやりだした時は、ほんとにびっくりした。歌うなら、ちゃんと声をだして歌えばいいのに、息だけで「すっきっなっ、ひとーがっ!」とやる。しばらくすると、こんどはたちあがって、めをつぶって、こしをふりながら、やっぱり息だけで「し・ん・せーつでしたっ!」とやる。

 こういうときのおとーさんは、見ててほんとーにコワい。なにかこうこつとした顔で、「ピース!ピース!」とやっているのを見ると、このよのおわりみたいな気分になる。いや、それはウソだけど、とにかくコワいことはまちがいない。でも、おとーさん、あのじょうたいでもちゃんと外の音はきこえているみたいで、ドアがコンコンってノックされると、ぴたりと動きが止まって、すごいスピードでヘッドホンとCDをかたづけて、さっきとはうってかわってすました顔して「なんだ?」って言いながらドアをあける。あのらくさはなんなんだろうね? ほんと、おとーさんってフシギ。

 ――――――――――――つづく
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