まーちゃんはてんこうせいでした。お父さんの仕事のかんけいで、しんおう町にひっこしてきたんだそうです。次の日、ぼくのクラスに入って、その時のじこしょうかいでそう言っていました。
まーちゃんは、みんなとすぐになかよしになりました。まーちゃんはかみの毛がきれいだし、こげ茶色の目がくるくるとよく動いて楽しかったし、話し方が少しだけ大人の人みたいだったので、みんながまーちゃんとお話しようと、ほうかの時間になると、すぐにまーちゃんのまわりに集まって、前の学校はどんなだったの?どんな遊びがすきなの?スポーツはとくい?すきな食べ物はなあに?と、いろんなことを聞きます。ぼくはおくびょうなので、みんなの中に入れなくて、まーちゃんが話しているのを自分のせきからちらちらと見ていました。少しだけむねの中がくうっとなりました。
帰り道、まーちゃんがいっしょに帰ろうとぼくに言いました。ぼくはなんだかうれしくて、いいよ、と言いました。
あのたばこ屋さんのポストのところで、まーちゃんはぼくにノートのきれはしをくれました。そこに、まーちゃんの電話ばんごうが書いてありました。みんなにはないしょだよ、と言って、まーちゃんはバイバイと手をふって、今きた道をぎゃくもどりして走っていきました。
――――――――――――つづく
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